近年、Amazon(アマゾン)や楽天市場などのネット通販サービスを利用する人たちを標的にしたフィッシング・なりすましメールが増えつつあります。実際に、送られてくるSMSは本物かどうか見分けがつきにくいものなので、被害にあうことも珍しくありません。
日本におけるフィッシング対策協議会の月次報告書を見ていると、フィッシングメールやSMSの割合は毎月のようにAmazonが1位となっていることから、注意が必要であることがわかります。
具体的に言うと、Amazonから「アカウントを更新する必要があります」というSMSが届いたことも話題になっています。実際のところ、Amazonから送付されたSMSは本物なのでしょうか?
この記事では、”Amazonの「アカウントを更新する必要があります」というSMSは詐欺なのか?”について考察しています。また、本物と偽物を見分ける方法も紹介しているので、Amazonを利用している人たちは参考にしてみてください。
- Amazonからのメールの見分け方がわかる。
- フィッシング・なりすましメールの危険性を知ることができる。
- 開いてしまったときの対処法を学べる。
Amazonの「アカウントを更新する必要があります」というSMSは詐欺なのか?
結論からいうと、Amazonを名乗った「アカウントを更新する必要があります」という内容のSMSは詐欺メールです。これに関しては、Amazonのヘルプ&カスタマーサービスでも次のような注意喚起を実施しています。
「Amazon.co.jpでは、アカウントサービスで、パスワードやクレジットカード情報などの個人情報の開示を求めることはありません。Eメールに記載されている連絡先情報(電話番号、URLなど)は使用しないでください。」
Amazonヘルプ&カスタマーサービス『AmazonからのEメール、電話、テキストメッセージ、またはウェブページかどうかを見分ける』より引用(最終確認日:2022年4月12日)
つまり、基本的にAmazonからは個人情報を求めるような連絡は来ることはないため、こういったメールが届いた際には、スパムである可能性を疑う必要があると言ってよいでしょう。
フィッシング・なりすましメールとは?
フィッシング・なりすましメールとは、企業名等をかたってメールを拡散し、不正なサイトへのアクセスを促すものをいいます。個人情報を集めたり、端末にウイルスを仕込んだりすることを目的とする不正な連絡です。なかには、不正利用するためにクレジットカードの情報を入力させる悪質なものもあります。最悪の場合、金銭的な被害を受けるおそれがあるので注意してください。
Amazonから来たメールの見分け方
とはいえ、詐欺集団は手口を巧妙に変えて、ユーザーを何とかして騙そうと試みるでしょう。
したがって、油断は禁物です。そこで、継続的に有効であると考えられる3つの見分け方を紹介していきます。
見分け方1 メッセージセンターを確認する
第1に、メッセージセンターを確認しましょう。
通常、Amazonから送られたメッセージは、センターに記録が残る使用になっています。すなわち、履歴にないメールが来ている場合は、スパムメールで確率が非常に高いと言えるわけです。
なお、メッセージセンターにアクセスする方法は以下のとおりです。
- ステップ1 メニューから「アカウントサービス」を開く。
- ステップ2 「メッセージセンター」を選択する。
- ステップ3 受信トレイの「すべてのメッセージ」をチェックしてメールの有無を確認する。
見分け方2 アドレスを確認する
第2に、メッセージのアドレスや番号を確認することで、偽物と本物を見分けられます。
そもそも、Amazonで送付されるメッセージのドメインは決まっています。つまり、それ以外のアドレスから送られてきたメッセージは詐欺メールである可能性が高いと言えるわけです。
具体的には、Amazonの公式サイトで差出人EメールアドレスやSMSの情報が公開されているので、おかしいと思ったときは事前に確認してみましょう。
Amazonが使用しているドメイン一覧
- amazon.co.jp
- amazon.jp
- amazon.com
- business.amazon.co.jp
- email.amazon.com
- marketplace.amazon.co.jp
- m.marketplace.amazon.co.jp
- gc.email.amazon.co.jp
- gc.amazon.co.jp
- payments.amazon.co.jp
ドメインに関する詳細について知りたい方は公式HPにアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=G4YFYCCNUSENA23B
Amazonが使用しているSMSの連絡先一覧
- 09090097540
- 08021585817
- 01085264515445
- Amazon
- TheDrop
SMSの連絡先に関する詳細について知りたい方は公式HPにアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=GAXB2FKGQUUQVWP7
見分け方3 URLを確認する
第3に、SMSに記載されているURLを確認しましょう。
スパムメールに記載されているURLは、amazonというアルファベットを加えた造語を使っている傾向があります。例えば、amazonet、amazonclub、amazon-jpなど、まるでAmazonの公式サイトであるかのような誤解しやすいドメインを敢えて使っているわけです。
したがって、詐欺集団に騙されないようにするためには、公式サイトのドメインと見比べることが大切です。
怪しいメールを開いてしまったときの対処法
しかし、本物を装った怪しいメールを見抜くことができずに開いてしまったという人たちもいるはずです。
実際に、Amazonになりすました危険なSMSのURLにアクセスした場合、どうすればよいのでしょうか?
ここでは、大きく3つの対処法について紹介していきます。
対処法1 パスワードを変更する
第1に、URLを開いてログイン情報を入力してしまった場合は、直ちにパスワードを変更しましょう。
やり方は以下のとおりです。
Amazonアカウントのパスワードを変更する方法
- ステップ1 Amazonのアカウントにログインする。
- ステップ2 右上の「アカウント&リスト」を選択する。
- ステップ3 「ログインとセキュリティ」を開く。
- ステップ4 パスワードの「編集」をクリックする。
- ステップ5 現在のパスワードを入力したうえで新しいものを入力して完了。
対処法2 カスタマーサポートに連絡する
第2に、Amazonのサポートセンターに怪しいメールをクリックした旨を伝えましょう。
近年では、AIのチャットボットも開設されているので、「問題の詳細を詳しく教えてください」と書かれている場所に「スパムメールの被害を受けて、ログイン情報を入力してしまった」と入力して送信してください。
すると、「不審なEメールに関する質問」という項目が出てくるのでタップしてください。そのまま、自分の状況に当てはまるものを選択していくと、最終的に「電話でのサポートを依頼する」という項目が出てくるので、そちらを選んで担当者に相談しましょう。
対処法3 クレジットカード会社に連絡する
第3に、クレジットカードの情報が奪われてしまう恐れがあるので、取引会社に連絡して利用を一時的に凍結したほうがよいでしょう。
詐欺集団からしてみれば、最も欲しい情報が金銭に関わるものであると考えられます。クレジットカードの利用情報が手に入れば、すぐに悪用して多額のお金を奪われてしまうかもしれません。
したがって、最優先事項として迅速に対処する必要があると考えられます。
Amazonからの怪しいメールは絶対に開かない
近年では、Amazonを利用して買い物することが当たり前の世の中になりつつあります。だからこそ、詐欺師はAmazonになりすましてスパムメールを送ってくるわけです。
しかし、冷静に観察してみると、本物と偽物を見分けることができます。とはいえ、一番大切なことは怪しいメールは絶対に開かない習慣を身につけることです。油断せずに自分の身を守ることを心がけていきましょう。
コメント